【内容】
若き官僚YouTuberとして多くのメディアにも登場する著者が、最新の農業から、実はスゴい日本の農作物の「国産の裏側にある驚きのストーリー」を紹介し、さらには日本の農業の未来までを語る1冊。
【読書メモ】
◯農業と聞いて思い浮かべる画は、田植え、手で直に植える様子だけれど、それははるか昔のステレオタイプにすぎない。ほとんどの農家が田植え機を使い、ほかのほとんどの工程もコンバインやドローンで機械化されているという。
◯促成栽培や二毛作など授業で習ったワードがでてきますが、日本という国土を有効に活用した農法だったということがわかりやすく説明されています。YouTuberらしいメリハリのきいた解説は文章にも表れていて、読んでいてひきこまれます。
◯SNS発信を行い、新たな販路を開拓したり、「スマート農業」を駆使して東京ドーム12個分の畑を一人で管理したりする、最先端の農家さんが紹介されています。
◯日本の農業のすごい点、おもしろい点、が紹介され、あまりここで書いてしまうとネタバレになりそうな意外性のあることが多く取り上げられ、豆知識や雑学物としても読めます。
◯食料自給率や食品ロスなど、「食」を巡る日本が抱える課題にも言及し、我々が日常口にする食べ物がどこから来ているのか、食べることは単なる栄養補給ではないことを常に意識し続けていくことの必要性を真面目に語っています。
◯農水省の仕事紹介もあり、特にYouTubeチャンネル「BAZZ MAFF」の立ち上げの裏話や情報発信に心掛けていることが本書の内容に反映されているので、堅苦しくなく真面目に伝えることに苦心されている人は、勇気づけられるかも。
【その他】
第69回(2023年度)青少年読書感想文コンクール・高校の部課題図書